先を読む 2022年診療報酬改定 2021.9.14

先を読む 2022年診療報酬改定

2022年診療報酬改定に向けた動きがいよいよ具体的な議論に入ってきました。

改定スケジュールは、以下*図1のようになっています。例年12月には、厚生労働大臣と財務大臣の大臣折衝が行われ、改定率が提示され、翌年2月上旬には例年個別改定項目にて点数が示されます。今期ここまで以下の日程で*図2 各テーマが議論されてきました。自院に関係するテーマありあませんか?
入院医療については、「入院医療等の調査・評価分科会」にてより具体的な議論がされています。*図3
議論の内容を少しご紹介しますと、急性期は、急性期入院料1(7対1)に病院・病床がまだ多いという指摘。重症度、医療看護必要度の現状については、Ⅱを届け出ている医療機関の方が、該当患者割合が高い傾向にあったなど。
回復期では、地域包括ケア病棟では、救急の受入れの実施の有無についての指摘。自宅等からの入院の受入れが少ない病棟が一定数存在すること。ポストアキュート、サブアキュート、在宅支援の機能のうち1つの機能に特化している医療機関の指摘がありました。
回復期リハビリテーション病棟では、入院料1~6で入院患者の状態に違いが見受けられる。入院料1は、脳血管系の患者割合が高く、入院料5・6は骨折等の割合が高い、入院時のFIMの点数では、入院料1・2と比較して入院料5・6についてFIMの点数の低い患者の割合が低かったと指摘されています。
また心大血管疾患リハビリテーションの対象者へのリハビリテーションの有効性の報告が示されて、かつ回復期リハビリテーション病棟の対象外疾患であることが指摘されています。また、管理栄養士が病棟に配置されているとADLの改善効率に違いがあるとの指摘があります。このように、分科会の課題と論点を整理すると来年の改定項目が少し見えてきます。
現段階ですので、不透明ではありますが、急性期については、集中治療室の設置や手術の評価、重症度、医療・看護必要度の項目や管理評価方法(看護必要度Ⅱへの移行推進)などの見直しにより、急性期一般入院料1への圧力がかかる可能性が否定できません。
地域包括ケア病棟では、自院の急性期からの転棟だけで運営している病棟があることが指摘されていますので、何らかの制約ができることが予想され、逆に在宅から患者を積極的に受入れしている病棟は評価がされる可能性があるとも言えます。
回復期リハビリテーション病棟については、心大血管疾患リハビリテーションの対象疾患が、回復期の入院対象疾患に加わる可能性があり、現在入院できていない患者さんが対象となることも想定されます。また、現在回復期リハ1にのみ専任の管理栄養士を配置することとなっているとなっていることから、他の入院料2~6への適用拡大は可能性があります。
今の段階では、まだ具体的な改定項目の情報については少ないものの、各項目にまとめられている、「現状と課題と論点」を確認するだけでも、どのような改定項目や方向性について議論されているかを把握することができます。自院に関連する部分はそれほど多くはないので、その部分だけでも早めに情報収集しておきたいところです。

図 1

令和3年4月14日 中医協資料

図 2

図 3

川瀬大輔

2017年税理士法人名南経営入社 民間病院に23年間勤務。1993年MSWにて入職、介護支援専門員として勤務後、事務長として管理業務に従事。院内における相談部門、業務、地域連携体制の確立をはじめ、主に法人の新規事業、企画等に携わり、患者の視点、専門職の立場から、病院・介護事業所経営に携わる。現在は、中小病院における経営・業務改善や病床再編、介護保険事業の開設支援や経営・業務改善等の支援業務を中心に行っている。