インボイス制度(適格請求書等保存方式) 2021.8.19

インボイス制度(適格請求書等保存方式)

インボイスという言葉をお聞きになったことはありますでしょうか。
貿易用語で送り状、納品書の意味となりますが、令和5年10月1日から税務においてもいわゆるインボイス制度が始まることになります。
今回始まるいわゆるインボイス制度は適格請求書等保存方式という制度になります。概要としては次のようなものになります。
消費税の計算において仕入れ税額控除を行いますが、それを行うために適格請求書等の保存が要件となることになります。
適格請求書等とは商品やサービスの売手側が買手側に対して正確な消費税率や消費税額伝えるための手段として登録番号や一定の事項が記載された書類をいいます。書類を発行するためには税務署長の登録を受けて適格請求書発行事業者となる必要があります。
消費税に関係する制度であるため、医療や社会福祉の分野でも影響がでてくるものと思います。
まず考えられるのは現在免税事業者である事業者です。
先ほど記載した適格請求書発行事業者に登録されるということは消費税の課税事業者になることを意味します。今までであれば基準期間に1000万円以上の課税売上がなければ免税事業者となり消費税の申告納付はありません。登録することによって、たとえ500万円の課税売上しかなくても消費税の申告納付の義務が発生することになります。
医療機関の取引相手はほとんどが一般消費者である患者であるため今回の制度の影響がでないところも多いかもしれません。一方で企業健診や予防接種など消費税の課税事業者である法人等事業者との取引先がある医療機関は検討が必要です。社会福祉法人においても就労支援などを行っている法人で商品の納入などで課税事業者との取引がある社会福祉法人も影響がでる可能性があります。なぜ適格請求書発行事業者へ登録すべきか検討が必要かというと仕入れ税額控除を受けることができないならば取引先を変更するという意思決定をされる事業者が現れる可能性があるためです。
また不動産賃貸などは契約書に基づいて代金決済が行われ、毎月請求書などの発行をしない場合も多いと思います。今回の制度により消費税の仕入れ税額控除を受けるためにはこういった場合も適格請求書等の保存が必要になるため、契約書等の変更など要件を満たすように対応する必要がでてくることになります。
まだ実施までには少しの猶予がありますが、影響の大きい事業者もあると思います。インボイス制度内容を正しく理解して、不利のないように対応していきたいと思います。

(参考)
国税庁
消費税の軽減税率制度・適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/index.htm

加藤雅昭

1993年税理士法人名南経営入社。
同志社大学卒。入社より個人・法人含め医療顧問先を多く担当してきた。担当した診療科は以下の通り。内科・整形外科・眼科・産婦人科・皮膚科・小児科・歯科また社会福祉法人についても担当経験あり。相談したいこと、話したいことはありませんか?話を聞くのは得意です。当社の創業者である佐藤澄男の自利利他の精神を根底に一緒に良い方法を考えましょう。