病院と診療所の違いと医療機関の開設 2021.7.7

病院と診療所の違いと医療機関の開設

前回のコラムでもあるように、近年親子間や第三者間におけるいわゆる事業承継が増えております。背景には、開業医の増加や高齢化、人口減少など様々な要因があるかと思います。承継を行う場合には、検討すべき項目が非常に多岐にわたります。
しかし、その際に行われる手続きまでは、皆様にはなかなか馴染みがないかと思います。
今回のコラムは、病院と診療所の違いを大きく把握してもらい、また、その開設手続きについても掘り下げて見ていきたいと思います。
まず、医療機関を大きく分類すると、①病院・②診療所があります。二つの違いを以下にまとめましたので、早速見てみましょう。

病院

・医師又は歯科医師が医業又は歯科医業を行う場所であって、患者 20 人以上の入院施設を有するものをいいます
・令和元年10月現在、全国に8,300施設の病院が存在します
 精神科病院が1,054施設、一般病院が7,246施設となっています
※精神科病院は精神病床のみを有する病院、一般病院は精神科病院以外の病院
・病床には種類があり、以下の6種類に分けることが出来ます
①精神病床⇒精神疾患を有する者を入院させるための病床
②感染症病床⇒「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(平成 10 年法律第114 号)に規定する一類感染症、二類感染症(結核を除く。)、新型インフルエンザ等感染症及び指定感染症並びに新感染症の患者を入院させるための病床
③結核病床⇒結核の患者を入院させるための病床
④療養病床⇒病院の病床(精神病床、感染症病床及び結核病床を除く。)又は一般診療所の病床のうち主として長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるための病床
⑤一般病床⇒精神病床、感染症病床、結核病床及び療養病床以外の病床
⑥介護療養病床⇒療養病床のうち、「健康保険法等の一部を改正する法律(平成18 年法律第83 号)附則第130 条の2第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた介護保険法」に規定する都道府県知事の指定介護療養型医療施設としての指定に係る病床

診療所

・医師又は歯科医師が医業又は歯科医業を行う場所(歯科医業のみは除く)であって、患者の入院施設を有しないもの又は患者 19 人以下の入院施設を有するものをいいます。 
・医科診療所と歯科診療所があります
・そのうち、歯科診療所は、歯科医師が歯科医業を行う場所であって、患者の入院施設を有しないもの又は患者19 人以下の入院施設を有するものをいいます。
・令和元年10月現在、全国に171,116施設の診療所が存在します
 一般診療所が102,616施設、歯科診療所が68,500施設となっています

医療施設の類型

病院と診療所の違いは上記に記載した通りとなります。
図解すると以下の通りとなります。


なお、病院と診療所は、持っている機能により、以下の通り区分されています。
大病院は、主に救急医療・専門医療・手術や入院医療を担い、中小病院や診療所は外来医療や主治医機能を担うことが多くなっています。

医療機関の機能分化

診療所の開設をする場合に行う手続き

診療所の開設について、詳細な手続きをまとめますと以下の通りとなります。
大きく分けると医療法人(非医師開設)と個人(医師開設)の2パターンで分けることができ、手続きにも差がありますので、実際に開設手続きを行う場合は注意が必要となります。診療所開設許可が必要かどうか、病床の使用許可が必要かどうかなど注意すべき点もあります。

①医療法人(非医師開設)


②個人(医師開設)

冨本健嗣

税理士法人名南経営 医業経営支援部マネージャー
株式会社名南メディケアコンサルティング 本部長

2003年税理士法人名南経営に入社。
税理士法人名南経営に入社後、病院及び診療所、歯科診療所等の医療機関・介護事業所・社会福祉法人専門の部署を経験し、税理士事務所としての税務顧問業務だけでなく認定登録医業経営コンサルタントとして各種コンサルティング業務や官公庁への諸手続及び各種セミナー講師まで幅広く業務を行っている。昨今では医療法人設立・出資金等の事業承継対策の相談も多く、北海道から沖縄まで非常に広範囲でコンサルティングを行っている。