DX デジタルトランスフォーメーションがもたらす医療の変革とは? 2021.3.11

DX デジタルトランスフォーメーションがもたらす医療の変革とは?

 世界中がコロナ渦の中、次なる経済成長のエンジンについて模索、世界中の国が、そして企業が次のレースに向けてのイニシアチブを握るべく、虎視眈々と世界の動きを注視していることでしょう。
 その中で、大きな成長エンジンの1つとして注目されているのがデジタルトランスフォーメーション(DXと略される:以降DXとする)です。DXとはいったいなんなのでしょうか。
DXの起源は、2004年にスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」。という概念を提唱したことに始まるそうです。 これはある程度皆さんすでに実感されているところでしょう。
 さらに2018年にはすでに日本でも経済産業省が「DX推進ガイドライン」をまとめています。その中ではDXとは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」とあります。
 この優位性を確保すべく、各国が、各企業が、しのぎを削っています。

これまで起こってきたDXの例としては、筆者も利用していますが、これまで音楽ならCDをショップで購入していたものが音楽配信のサービスに置き換わったのはもちろん、自身が選択する音楽の嗜好(データ)を蓄積して、気に入りそうな音楽を自動に配信してくれたりするサービスまでしてくれます。CDを購入するという行為はもちろん、どれにしようかなとショップで選ぶという行為まで代行してくれているということです。 ITはこうして我々の生活様式を一変させた訳です。

では、DXがどのように医療に取り入れられていくのでしょうか。いろいろなサービスを調べてみると、例えば、オンライン診療はもちろん、対面診療でも、医師との面談中の音声(会話)を記録して文字化して診療録を作成するシステム。それ自体はただの音声認識ですが、医師と患者の言葉を選別し、それが薬局に必要な情報が共有されれば服薬指導に、管理栄養士と共有されれば栄養、食事指導に、タイムリーなところではコロナ感染症の可能性があれば保健所の届出をしてくれるようになるなど、それぞれ個別対応していた作業が軽減されるようなシステム(働き方改革や医療従事者の連携、地域包括ケアシステム推進等に資するでしょう)等が開発されていたりします。
また、コロナウイルスワクチンの接種を管理するシステムは自治体等で使われるようですが、その仕組みと診療データ等がマッチングさせられれば、副反応が出やすい方などのリスクを見つけることなどもできるのかもしれません。

いずれにせよ、世界はしばらくの間はウィズコロナ世界として、そしてアフターコロナの世界に向け変革しようとしています。こうしたテクノロジーによってサービスやビジネスモデルが変革し、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土が変革され、真により質の高い医療が享受できる世界になることを願っています。

植木隆之

2018年税理士法人名南経営入社。
薬学部を卒業後、製薬会社にて医薬情報担当者、医療系物流企業新規事業責任者、病院事務局を歴任、一貫して医療の最前線でキャリアを形成してきた。その間お付き合い頂いた調剤薬局、開業医、民間病院、地域中核病院から大学病院までの多くの医療従事者と培ってきた現場感覚を大切にしながら、薬剤師、中小企業診断士としての専門性を活かした論理的かつ実践的な提案を心がけている。