「2021年介護報酬改定」と事業継続計画 2021.1.14

「2021年介護報酬改定」と事業継続計画

令和3年度介護報酬改定の基本的な考え方としてテーマが5つあります。
(1)感染症や災害への対応力強化
(2) 地域包括ケアシステムの推進
(3)自立支援・重度化防止の取組の推進
(4) 介護人材の確保・介護現場の革新⑤制度の安定性
(5) 持続可能性の確保
次期改定で特徴的なことは、「感染症や災害対策」が、1つめのテーマに挙げられていることです。
昨年は、COVID-19によって医療・介護現場では、日頃の事業運営、サービス提供体制のあり方を改めて考えさせられることとなりました。また、行政支援策として緊急措置が打たれてきたわけですが、介護保険制度としても恒常的な対応として改定が検討されています。
介護報酬改定に関する審議報告書では、感染症や災害への対応力強化として、感染対策の訓練の実施が追加され、感染症や災害が発生した場合であっても、必要な介護サービスが継続的に提供できる体制の構築のため「事業継続計画」の作成及び研修や地域と連携した訓練の実施の義務化が予定されています。(3年経過措置あり)(*12月23日の介護給付費分科会の審議報告から)

みなさんの事業所は、既に事業継続計画は策定されているでしょうか?

消防訓練は法令義務ですので、実施されているかと思いますが、“火災”に追加して、“地震”や“水害”のいわゆる“天災“に対応した「災害対策計画」に、そして”感染症”に対応した、事業の継続を軸にした「事業継続計画」へとバージョンアップさせる必要があります。また、訓練(シミュレーション)の実施は、年間計画を作成して実施することをお勧めします。
この訓練(シミュレーション)を通じて、課題や改善点など、実施の結果を検証し、それらを解消するための計画の見直し、といった作業(いわゆるPDCAサイクル)を回していくことで、より自施設に適応したよい事業継続計画となっていきます。定期的にこのサイクル(P:Plan計画 D:Do:行動 C:Check:評価 A:Action:検証)を廻していくことが、施設独自の“真の事業継続計画”立案には欠かせません。

最後に、事業継続計画については、厚生労働省から、新型コロナウイルス対応及び自然災害対策における事業継続計画のガイドラインが公開されています。事業所の所在地の行政から示されているハザードマップやこのようなガイドラインを参考に、実行可能性のある“事業継続計画“を作成していくことなど対応が必要です。

〇介護事業所等向けの新型コロナウイルス感染症対策等まとめページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/taisakumatome_13635.html
〇新型コロナウイルス感染症発生時の業務継続ガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000704782.pdf
〇自然災害発生時の業務継続ガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000704787.pdf

川瀬大輔

2017年税理士法人名南経営入社 民間病院に23年間勤務。1993年MSWにて入職、介護支援専門員として勤務後、事務長として管理業務に従事。院内における相談部門、業務、地域連携体制の確立をはじめ、主に法人の新規事業、企画等に携わり、患者の視点、専門職の立場から、病院・介護事業所経営に携わる。現在は、中小病院における経営・業務改善や病床再編、介護保険事業の開設支援や経営・業務改善等の支援業務を中心に行っている。