社会福祉法人における新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の会計処理 2020.12.11

社会福祉法人における新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の会計処理

新型コロナウイルス感染症の流行により、各企業が感染防止対策を取っています。社会福祉法人も例外ではなく、金銭的なコストに加え、時間なコスト・人的なコストがこれまで以上にかかっていると思います。特に介護施設や障がい福祉サービスなどの施設を運営する法人では、重症化リスクの高い利用者を抱えており、一層の感染症対策が求められています。
こうしたかかり増しの経費を補助する仕組みとして、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業が厚生労働省により実施されています。このような事業による補助金等の会計処理について解説いたします。

1 新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業とは

令和2年6月に厚生労働省より、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(介護分)・同(障がい福祉サービス等分)の実施要綱が発表されました。感染症対策を継続的に行いながら、必要なサービスを提供する体制を構築するという目的で、主に下記の3つの事業を実施するものです。
・感染症対策のための経費の助成
・利用者のサービス再開のための経費の助成
・勤務する職員に対する慰労金の支給

事業の実施主体は都道府県です。

2 感染症対策のための経費・利用者のサービス再開のための経費の助成金の会計処理

助成対象により、処理の方法が変わります。

①衛生用品や消耗品等に対する助成金
・入金時の会計処理例
(借方)預金 ×××円 / (貸方)補助金事業収益(公費) ×××円
・衛生用品や消耗品費等の購入時の会計処理例
(借方)保健衛生費 ×××円 / (貸方)預金 ×××円

②固定資産等に対する助成金
・入金時の会計処理例
(借方)預金 ×××円 / (貸方)施設整備補助金収益 ×××円
・固定資産等の購入時の会計処理例
(借方)器具及び備品 ×××円 / (貸方)預金 ×××円

なお、この場合には同時に国庫補助金等特別積立金の積立の処理が必要です。助成金と同額の積立の処理を行います。
・国庫補助金等特別積立金の積立時の会計処理
(借方)国庫補助金等特別積立金積立額 ××円/(貸方)国庫補助金等特別積立金 ××円

3 勤務する職員に対する慰労金の会計処理

慰労金は、法人の収入ではありませんので、預り金や仮受金など収支に影響のない勘定科目で処理をすることが適当であると考えられます。
・入金時の会計処理例
(借方)預金 ×××円 / (貸方)預り金 ×××円
・従業員等への支払い時の会計処理例
(借方)預り金 ×××円 / (貸方)預金 ×××円

YouTubeでも同様の動画を公開しております。
法人内への周知などに、ぜひご活用ください。

社福チャンネル「コロナ補助金・慰労金の会計処理

令和2年11月20日時点の情報に基づき記載しております。
また、ご紹介した会計処理は一例です。各自治体から具体的な会計処理の指示がある場合には、そちらに従っていただくようお願いいたします。

山本はるか

税理士法人名南経営 会計部 マネージャー

2008年税理士法人名南経営に入社。 医療法人、社会福祉法人、社団・財団法人、NPO法人などのパブリックセクターの会計・税務顧問業務に従事。また、上記の会計・税務顧問業務以外にも、公益法人改革コンサルティングや社会福祉法人の新会計基準移行、法改正コンサルティングにも注力している。社会福祉法人向けの講演は多数あり、実務経験に基づいた専門性の高い講演は非常に好評。会計事務所に対してはセミナーDVDも販売されている。