贈与税がかかる場合について 2020.11.12

贈与税がかかる場合について

今年も年末が近づいて参りました。
毎年、年末に話題に上がるお話として、贈与の話があります。
では、贈与はどんな場合にかかるのかご存じでしょうか?

①贈与税がかかる場合

贈与税は、個人から財産をもらったときにかかる税金です。
自分が保険料を負担していない生命保険金を受け取った場合、あるいは債務の免除などにより利益を受けた場合などは、贈与を受けたとみなされて贈与税がかかります。

会社など法人から財産をもらったときは、贈与税はかかりませんが、所得税がかかります。ただし、死亡した人が自分を被保険者として保険料を負担していた生命保険金を受け取った場合は、贈与税でなく相続税の対象となります。

  • A.暦年課税
    一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。
    ※計算式
    「もらった財産の合計額」-「110万円(基礎控除額)」> 0万円の場合に課税されます。よく110万円までは課税されないといわれるのはそれが理由です。
②贈与税がかからない場合

贈与税は、原則として贈与を受けたすべての財産に対してかかりますが、その財産の性質や贈与の目的などからみて、次に掲げる財産については贈与税がかからないことになっています。

  • A.法人からの贈与により取得した財産
    贈与税は個人から財産を贈与により取得した場合にかかる税金であり、法人から財産を贈与により取得した場合には贈与税ではなく所得税がかかります。
  • B.夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの
    ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、また、教育費とは、学費や教材費、文具費などをいいます。
    なお、贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金、株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかることになります。
  • C.地方公共団体の条例によって、精神や身体に障害のある人又はその人を扶養する人が心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利
  • D.個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの
  • E.直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの
  • F.直系尊属から一括贈与を受けた教育資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの
  • G.直系尊属から一括贈与を受けた結婚・子育て資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの
  • H.相続や遺贈により財産を取得した人が、相続があった年に被相続人から贈与により取得した財産
  • ※補足
    F.教育資金贈与の補足
    (概要)
    平成25年4月1日から令和3年3月31日までの間に、30歳未満の方(以下「受贈者」といいます。)が、教育資金に充てるため、金融機関等との一定の契約に基づき、受贈者の直系尊属(父母や祖父母など。以下「贈与者」といいます。)から以下のものを贈与されたものです。
    1信託受益権を取得した場合
    2書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合
    3書面による贈与により取得した金銭等で証券会社等で有価証券を購入した場合

    その信託受益権又は金銭等の価額のうち1,500万円までの金額に相当する部分の価額については、取扱金融機関の営業所等を経由して教育資金非課税申告書を提出することにより、受贈者の贈与税が非課税となります
    (教育資金の範囲)
    (1)学校等に対して直接支払われる次のような金銭をいいます。
    1入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備費又は入学(園)試験の検定料など
    2学用品の購入費、修学旅行費や学校給食費など学校等における教育に伴って必要な費用など
    (注) 「学校等」とは、学校教育法で定められた幼稚園、小・中学校、高等学校、大学(院)、専修学校及び各種学校、一定の外国の教育施設、認定こども園又は保育所などをいいます。

    (2)学校等以外の者に対して直接支払われる次のような金銭で教育を受けるために支払われるものとして社会通念上相当と認められるものをいいます。
    イ 役務提供又は指導を行う者(学習塾や水泳教室など)に直接支払われるもの
    3教育(学習塾、そろばんなど)に関する役務の提供の対価や施設の使用料など
    4スポーツ(水泳、野球など)又は文化芸術に関する活動(ピアノ、絵画など)その他教養の向上のための活動に係る指導への対価など
    5 3の役務の提供又は4の指導で使用する物品の購入に要する金銭

    ロ イ以外(物品の販売店など)に支払われるもの
    6 2に充てるための金銭であって学生等の全部又は大部分が支払うべきものと学校等が認めたもの
    7 通学定期券代、留学のための渡航費などの交通費

    (注)令和元年7月1日以後に支払われる上記3~5の金銭で、受贈者が23歳に達した日の翌日以後に支払われるものについては、教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講するための費用に限ります。

<参考文献> 国税庁ホームページ「タックスアンサー(よくある税の質問)」/贈与税

冨本健嗣

税理士法人名南経営 医業経営支援部マネージャー
株式会社名南メディケアコンサルティング 本部長

2003年税理士法人名南経営に入社。
税理士法人名南経営に入社後、病院及び診療所、歯科診療所等の医療機関・介護事業所・社会福祉法人専門の部署を経験し、税理士事務所としての税務顧問業務だけでなく認定登録医業経営コンサルタントとして各種コンサルティング業務や官公庁への諸手続及び各種セミナー講師まで幅広く業務を行っている。昨今では医療法人設立・出資金等の事業承継対策の相談も多く、北海道から沖縄まで非常に広範囲でコンサルティングを行っている。