租税特別措置法26条 社会保険診療報酬の所得計算の特例 2020.10.26

租税特別措置法26条 社会保険診療報酬の所得計算の特例

コロナ禍により医業収益は前年を下回る状況が現在も続いています。

そのため、これまで高収益を維持してきた医療機関でも気づいたら社会保険診療報酬が5000万円を下回っており、概算経費率による申告が可能であったという事例が増えてくるのではないかとみております。

そこで、今回は租税特別措置法第26条「社会保険診療報酬の所得計算の特例」についてご紹介したいと思います。

医業又は歯科医業を営む個人が社会保険診療につき支払いを受けるべき金額が5000万円以下であり、かつ、医業または歯科医業から生ずる事業所得にかかる総収入金額に算入すべき金額の合計額が7000万円以下であるときは、その年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入する金額は下表の
通りとすることができます。

社会保険診療報酬の金額 必要経費に算入する金額
2,500万円以下 収入金額×72%
2,500万円を超え3,000万円以下 収入金額×70%+50万円
3,000万円を超え4,000万円以下 収入金額×62%+290万円
4,000万円を超え5,000万円以下 収入金額×57%+490万円

この制度は実額の必要経費との比較をしてどちらが有利かを検討して確定申告の時に適用を決めていただきます。
なお、医療法人にも同様の制度があります。(租税特別措置法第67条)

井上健

税理士法人名南経営 会計部 マネージャー

1991年税理士法人名南経営に入社。
入社当時から病院、診療所、歯科医院等の医療機関の会計、税務顧問業務を主に担当。2000年の介護保険導入を機に社会福祉法人への支援を開始。現在は社会福祉法人、医療法人、公益法人等のパブリックセクターの会計、税務を専門分野とし、社会福祉法人の新会計基準移行・法改正コンサルティングなどの支援を行っている。社会福祉法人関連団体からの講演依頼多数。