2020年4月改正:極度額(上限額)の定めのない個人の根保証契約は無効 2020.2.25

2020年4月改正:極度額(上限額)の定めのない個人の根保証契約は無効

《改正の概要》
2020年4月1日施行の改正民法第465条の2では、1項で「一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約(以下「根保証契約」という。)であって保証人が法人でないもの(以下「個人根保証契約 」という。)の保証人は、主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのもの及びその保証債務について約定された違約金又は損害賠償の額について、その全部に係る 極度額を限度として、その履行をする責任を負う。」、2項で「個人根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない。」と新たに規定されました。
身元引受人等による利用料金の支払いなどの連帯保証は、改正民法第465条の2第1項の個人根保証契約に該当する可能性が高いことから、今後は連帯保証人が負う可能性のある上限額(極度額)を契約書に明記しなかった場合には、連帯保証人に対して一切の保証の履行を求めることができなくなります。
一般的な病院の入院誓約書や介護施設の入所契約書などは、個人根保証契約に該当する場合があると考えられます。その場合、2020年4月1日以降に締結される契約については、極度額の設定が必要となります。なお、極度額は確定額を記載する必要がありますが、その水準について法律上の規定はなく、原則として当事者間で決定することとなります。
極度額の設定については、一律に契約書に標準的な金額を設定しておく方法や個別に契約書で金額設定する方法が考えられます。病院などでは、診療科別・病棟別・個室料の発生の有無などで金額設定を変える方法も考えられます。

《極度額の記載例》

例1 契約書条文に記載
第〇〇条(連帯保証人)
1 連帯保証人は、利用者と連帯して、本契約から生じる利用者の債務を負担するものとする。
2 前項の連帯保証人の負担は、極度額〇〇円を限度とする。

例2 連帯保証人欄に記載
2020年4月改正:極度額(上限額)の定めのない個人の根保証契約は無効

久保光司

株式会社名南メディケアコンサルティング取締役
税理士法人名南経営 医業経営支援部 部長

1991年税理士法人名南経営に入社。
入社以来、医療・介護・福祉分野を専門分野とし、会計税務顧問業務のみならず各種コンサルティング業務に従事。現在は、医療機関・社会福祉法人・介護事業者への新規事業参入支援、収益改善・業務改善支援等のコンサルティング業務を中心に活動している。また、医療法人制度に精通し、個別ニーズに合わせた医療法人の事業承継対策の立案・実行支援を多数実施している。