基金型医療法人における基金は資本金または出資に該当する? 2017.8.22

基金型医療法人における基金は資本金または出資に該当する?

医療法人の設立に際して都道府県のルール(運転資金や資産等最低限の経営資源を基金での確保をすることの要求)により、当初入れる基金が大きくなってしまうことはありませんでしょうか。

平成18年の第5次医療法改正により平成19年4月1日以降はいわゆる出資持分のある経過措置型医療法人は設立不可となり、新規設立の社団型医療法人はすべて持分のない基金型法人となります。

さて基金型医療法人の経営原資の獲得手段である「基金
は、法人税法上資本または出資に含まれるのでしょうか。

基金の性質は、
・基金はいわゆる劣後債であること
・剰余金の配当を目的としない原資の確保であること
・基金拠出者が議決権を有するわけではなく、社員が議決権を有する
というものです。

これは会社法上の資本金または出資とは大きく性質を異にするものであり、資本金または出資であるとはいえず、資本金または出資には該当しないとされています。法人税の特例の判定や法人県民税市民税などの均等割の判定にも影響するため注意が必要です。

なお、上記内容については、国税局HPにおいて文書回答事例が公開されております。

回答年月日  平成21年4月24日
回答者    大阪国税局審理課長
http://www.nta.go.jp/osaka/shiraberu/bunshokaito/hojin/090424/index.htm

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加藤尚孝

税理士法人名南経営 理事
株式会社名南メディケアコンサルティング 本部長

1994年税理士法人名南経営に入社。 医療機関・薬局を専門とした税務顧問担当者として顧客の税務及び経営指導業務を行う傍ら、診療所の開業支援業務を中心に顧客創造活動に携わる。その後、豊田事務所長、三河本部長を経て2011年より理事に就任、現在に至る。また、2016年からは医療介護部門の統括責任者として当社の経営の根幹を担うとともに、現在も税務・経営指導を行うなど幅広く活動している。