開業準備にかかった経費について 2017.8.17

開業準備にかかった経費について

開業にむけて準備をしているとさまざまな経費がかかってきます。
このように開業準備のために特別に支出した費用を「開業費」と言います。

具体的なものとしては、下記のとおりです。


・広告宣伝費…従業員募集チラシ、開業案内チラシの配布にかかる費用など
・交際費…業者との打ち合わせ、他先生方との打ち合わせにかかる費用など
・旅費交通費…研修などに参加するための電車、バスなどの公共交通機関の料金や高速代、
・通信運搬具…切手、封筒、宅急便など
・事務用消耗品費…事務に使うための筆記用具など
・消耗備品費…医院に置くための備品、雑貨など
・その他の経費…物件選びなどのコンサル料金など

これらの経費を集計したものが「開業費」です。
「開業費」は、60か月の均等償却または任意償却のいずれかの方法で必要経費とするこができるため、開業初年度に全額経費とすることもできますし、2年目以降の任意の時期に経費とすることができます。その点から考えますと、開業後クリニックの経営が軌道に乗り利益が多く計上される年までは「開業費」を経費とせずにとっておき、利益が多く計上された年に「開業費」を経費とすることで節税を図ることも可能です。

ただし「開業費」として認められるためには、支出した先ごとに支払先、目的などを明記し、支出の証拠となる領収証を保存いなければなりませんのでご注意ください。
弊社では、これらの書類を整理するためのツールとして『開業日記帳』をご準備しておりますので、お気軽にお問合せいただければと思います。

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加藤尚孝

税理士法人名南経営 理事
株式会社名南メディケアコンサルティング 本部長

1994年税理士法人名南経営に入社。 医療機関・薬局を専門とした税務顧問担当者として顧客の税務及び経営指導業務を行う傍ら、診療所の開業支援業務を中心に顧客創造活動に携わる。その後、豊田事務所長、三河本部長を経て2011年より理事に就任、現在に至る。また、2016年からは医療介護部門の統括責任者として当社の経営の根幹を担うとともに、現在も税務・経営指導を行うなど幅広く活動している。