「医療情報・システム基盤整備体制充実加算にかかるインターネット調査」の結果が公表 されました。 2023.10.6

「医療情報・システム基盤整備体制充実加算にかかるインターネット調査」の結果が公表 されました。

厚生労働省は令和 5 年 6 月 21 日の中医協総会、診療報酬改定結果検証部会において、「医 療情報・システム基盤整備体制充実加算にかかるインターネット調査」の結果を公表しまし た。この調査は、令和4年 12 月 23 日の中医協附帯意見において、医療情報・システム基 盤整備充実加算については、「早急に患者・国民の声を丁寧かつ幅広に聴き…医療の質の向 上の状況等について十分に調査・検証を行う」とされているところを踏まえ、令和5年度調 査(令和4年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査。実施時期:令和5年7月~9月) に先行して、本年5月上旬に、医療情報・システム基盤整備体制充実加算にかかるインター ネット調査を実施した結果報告です。(プレ調査)
「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」を知っているのは、マイナンバーカードを 健康保険証として一体化している人は全体の6割、一体化している人のうち、直近 3 ヵ月 以内にマイナンバーカードを健康保険証として医療機関を受診した人はそのうちの 2 割に とどまりました。
マイナンバーカードの健康保険証利用に対応した医療機関等で診療報酬の加算が算定さ れることを知っている人の割合は、直近 3 ヶ月以内に受診歴がある人で 6 割、ない人でも 4割という結果となり、以外と多い印象です。マイナンバーカードを健康保険証として利用 した場合に加算点数が低くなることを知っている人の割合も同程度でした。
一方、マイナンバーカードを健康保険証として利用することのメリットは受診歴がある 人でも 3 割が特に知らないという結果でした。薬剤情報や特定健診情報の伝え忘れがなく なること、薬の飲み合わせや重複などが確認できること、問診票記載が減り手間がなくなる など、患者さんのよりよい医療に貢献するべきところや受診時に面倒を感じる部分などの 軽減できるはずの部分(直接的メリットと感じてもらえるはずの部分)に関して、使用歴の あり人でもその認知度は 2 割強という少ない結果でした。プレ調査の結果のため、本調査 の結果が待たれますが、まだまだその認知度が低い現状が伺えます。
現在、マイナンバーカードの登録にかかる諸手続きの不手際による各種問題が噴出し、健 康保険証をなくす・なくさないなどの議論が出ております。当然ですが、情報の管理や運用 には十分に配慮されるべきと考えますが、どのような形にせよ、本来のこうした取組みの目 的を改めて明確にして、限られた医療資源や公的財源を有効に活用し、よりよい医療を国民 が享受できる仕組みについて議論され、活用されることを願っています。

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植木隆之

2018年税理士法人名南経営入社。
薬学部を卒業後、製薬会社にて医薬情報担当者、医療系物流企業新規事業責任者、病院事務局を歴任、一貫して医療の最前線でキャリアを形成してきた。その間お付き合い頂いた調剤薬局、開業医、民間病院、地域中核病院から大学病院までの多くの医療従事者と培ってきた現場感覚を大切にしながら、薬剤師、中小企業診断士としての専門性を活かした論理的かつ実践的な提案を心がけている。