IT化によるサービスの変化

2019年11月21日

経営助言をする時や経営コンサルティングをする場合、まずは、財務データやレセプトデータなどを分析して、課題や問題点の原因を発見する必要があります。それにかける時間は、お客様には見えない部分ですが、相当な時間がかかります。
その分析時間を効率化するためには、現状の問題点に対する原因の仮説を立てて、抽出するデータを絞る必要があります。
経験と知識が豊富な優れたコンサルタントは、ほぼ仮説通りの分析データとなると思いますが、これは、職人芸と言えます。
私は、前職で会計事務所に30年勤務していました。
30年前の決算処理は、電卓かそろばんで計算していました。
(ある程度の集計はコンピューターでしていましたが、決算調整は手で集計していた。)
手計算のため、最後に貸方と借方が合わない事はよくある話で、合わない差額を見て、どこで間違っているのか目星をつけて合わせていました。
まさに、職人芸でした。
現在は、コンピューター発達により、意図も簡単に集計され、貸方借方が合わないなんて事は考えられない時代になりました。
また、手書きだった申告書の作成は、コンピューターがやってくれて、また、個人の確定申告であれば、Web上で計算が出来るようになりました。
そんな業務内容の変化を経て、現在の会計事務所は、過去の計算業務のみではお客様のニーズに応えることが難しくなり、当たり前の業務として事業計画などの未来計算を求められるようになって来ました。
そして会計事務所は、AIの発達で、消える業界とも言われています。
先日、お客様にレセプト請求データを切り出し、分析するソフトを導入しました。
基本的な分析シートが表示され、その中から気になるデータにフォーカスして、いろいろ条件を変えてみる事によって、新たな発見が出来ました。
また、介護ソフトはモバイル化され、職員一人一人がどのように行動して、どういう介護サービスをしたかが見える化され、また、GPS機能で職員が今どこにいるかもわかる状況になりました。
それにより、職員一人一人の生産性も把握出来るようになってきました。
このようなソフトウェアも、利用者が増えれば、安価になっていきます。
しかし、優秀な分析ソフトがあっても、それを読み取る側の力の格差は、まだ大きいと感じます。
それは、どんなにMRIなどの検査機器が発達しても、医療関係者の読解力と提案力が必要なのと同じだと思います。
また、どんなに素晴らしい分析が出ても、現場に落とし込むのは、さらに難しい。
どんな言葉から入るのか、どんな言葉を使ったらいいか、どのように評価するか、戦術は様々です。
そんな厳しい時代の変化を嘆く会計事務所業界の職員の声も聞きますが、当社は、どんなに優れたAIが出てきても、お客様により有効的なアドバイスが出来るように日々精進しているので、私は、そんなに危機感は感じていません。
しかし、油断のないよう、日々勉強していきたいと思っています。

柴田浩志

2017年税理士法人名南経営に入社。
業界経験30年以上。日本医業経営コンサルタント協会認定登録コンサルタントとして、医療機関・介護施設の税務会計に特化してコンサルティングを提供してきた。事業承継、病院・薬局等のM&A支援、医業経営財務コンサルティング、医業介護施設の業務改善コンサルティング、診療所の新規開業支援などを行っている。スタッフの個人面談など、現場に入り込んだコンサルティングを心掛けている。