『特定処遇改善加算』が始まります

2019年7月8日
経緯

2017年12月に閣議決定した「新しい経済政策パッケージ」に基づき、2019年10月から『特定処遇改善加算』が始まります。介護人材確保のための取組をより一層進めるため、経験・技能のある職員に重点化を図りながら、他の介護職員などの処遇改善に充てることができるよう柔軟な運⽤を認めるとされています。

取得要件

・特定処遇改善加算(Ⅰ)は、(1)~(4)すべての要件を満たすこと
・特定処遇改善加算(Ⅱ)は、(4)以外の(1)~(3)の要件を満たすこととなっています。
つまり、介護福祉士の配置要件の最も上位区分を算定していることが、高い加算率である特定加算(Ⅰ)の要件となっています。
(1)現行の介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)のいずれかを取得していること
(2)処遇改善加算の職場環境要件について複数の取り組みを行っていること
(3)処遇改善加算に基づく取組についてホームページへの掲載などにより「見える化」を行っている
こと
(4)サービス提供体制強化加算等の最も上位区分を算定していること

配分方法

配分可能な職種は、「①経験・技能のある介護職員、②他の介護職員、③その他の職種」の3種類です。
1. ①経験・技能のある介護職員は、介護福祉士であって、1人以上は賃金改善において「月額平均8万円以上」又は「年収440万円以上」であること
2. 事業所内での配分に当たって、以下のように定められています。
・①経験・技能のある介護職員は、②他の介護職員の2倍以上とする
・②他の介護職員は、③その他の職種の2倍以上とする
・①経験・技能のある介護職員は、「勤続10年以上」を基本とするが、「勤続10年」の考え方は事業所の
裁量によることができ、①~③の一人一人の処遇改善額は柔軟に設定できる

①経験・技能のある介護職員、②他の介護職員、③その他の職種の順に一定の傾斜の設定等を行うこととした場合、以下のA~Cのような配分が可能となります

  

留意点

『特定処遇改善加算』を2019年10月から算定する場合、計画書の提出は2019年8月末期限となっています。
算定開始に向け、各事業所では以下の準備が必要です。
□『特定処遇改善加算』の見込額の算出
□介護職員個々の年収額・勤続年数の把握
□①経験・技能のある介護職員の選定基準及び賃金改善額の設定 
□②他の介護職員・③その他の職種の選定と一定の傾斜となる賃金改善額の設定   など

「少なくても1人以上は月額平均8万円以上又は年収440万円以上の要件を満たせば、多職種も対象にするなど事業所の柔軟な運用が認められますので、各事業所の実態に応じてこの制度を上手に利用することが望まれます。

久保光司

株式会社名南メディケアコンサルティング取締役
税理士法人名南経営 医業経営支援部 部長

1991年税理士法人名南経営に入社。
入社以来、医療・介護・福祉分野を専門分野とし、会計税務顧問業務のみならず各種コンサルティング業務に従事。現在は、医療機関・社会福祉法人・介護事業者への新規事業参入支援、収益改善・業務改善支援等のコンサルティング業務を中心に活動している。また、医療法人制度に精通し、個別ニーズに合わせた医療法人の事業承継対策の立案・実行支援を多数実施している。