平成31年度税制改正大綱

2018年12月24日

先週の金曜日(平成30年12月14日)に与党から平成31年度税制改正大綱が発表されました。
そのなかで医療機関に関係の深い内容について取り上げます。

1.控除対象外消費税

社会保険診療等にかかる医療は消費税が非課税とされていますが、その価格は公定価格とされています。そのため消費税が増税される際には医療機関が支払う消費税だけが増えてしまうというアンバランスが生じてしまうため、これをどのように解消するかが今回の税制改正において注目されるところでした。
結論としては従来と同じように診療報酬の増額によって補てんすることとされました。
これまでの補てんにばらつきがあるという指摘に対しては診療報酬の配点方法を精緻化することにより、医療機関種別の補てんのばらつきが是正されるとされています。

2.特別償却制度

次の項目について拡充・見直しがされます。
・医師の勤務時間短縮のため必要な器具及び備品、ソフトウェア
・地域医療提供体制の確保のための病床の再編等の建物及びその附属設備
・共同利用の推進など効率的な配置の促進に向けた高額利用機器

3.個人事業の事業承継税制

高齢化が急速に進展する中で、円滑な世代交代を通じた事業の持続的発展の確保のため、昨年の法人の事業承継税制に続いて個人事業者の事業承継を促進するための相続税・贈与税の新たな納税猶予制度が創設されます。
事業用の宅地に加え、事業用の建物及び医療機器等が対象となる予定です。

井上健

税理士法人名南経営 会計部 マネージャー

1991年税理士法人名南経営に入社。
入社当時から病院、診療所、歯科医院等の医療機関の会計、税務顧問業務を主に担当。2000年の介護保険導入を機に社会福祉法人への支援を開始。現在は社会福祉法人、医療法人、公益法人等のパブリックセクターの会計、税務を専門分野とし、社会福祉法人の新会計基準移行・法改正コンサルティングなどの支援を行っている。社会福祉法人関連団体からの講演依頼多数。