医療機関における資金繰りについて

2018年1月30日

クリニックや病院などの医療機関、老人保健施設、における資金繰りについては一般の企業に比べて独特なものがあります。
特徴として
・社会保険診療における収入が多く未収金の期間が決まっている
・人的産業であるため、人件費割合が比較的高め
・医療機器や介護機器が高額であるため、初期投資が大きくなりやすく、返済負担が重くなる可能性がある
等の内容があげられ、資金繰りについて比較的課題を抱えやすい業界特性があります。

そのため開業直後や、規模拡大時(新規施設の立ち上げ等)においては、
 「常に即金払いの人件費が先行し、売上が増加しても2か月後の入金。

経営安定時においても、
 「内部留保の一部が未収入金に充てられてしまい、未収入金は廃業しなければ解消されな
い。相当の内部留保があるにも関わらず、日々の資金繰りが苦しい。

というそれぞれのシチュエーションでジレンマがあることと思います。自己資金で賄えればそれが一番よいのですが、なかなかそうもいかないのが実情と思います。資金についてはどのシチュエーションでも頭を悩ませている方は少なくありません。

一般の企業が努力している「売上の資金回収期間を短縮する」という方法も医療期間では診療報酬、介護報酬の支払いサイクル(2か月)が固定されているため、対応不可です。ファクタリング(診療報酬債権の買取)などを活用する方法もありますが、一般における銀行融資よりもコストが割高であるため、結果として利益が上がらなくなってしまう可能性があります。
 こういった課題を対処するには
・資産と負債の短期長期の対応バランスはよいか
・売上規模に対しての残高は適正か、もし不適切な場合はどうやって解消するか
・資金調達の手段、弁済期間は適切か
等を踏まえて短期的な視点、長期的な視点をもって検討し、資金不足の解消策を検討する必要があります。 弊社の顧問、コンサルティングサービスではこういったご相談にも対応しております。ぜひお困りの際はご相談くださいませ。

大久保聖

税理士法人名南経営 会計部 サブマネージャー

2006年税理士法人名南経営に入社。
入社から現在まで一貫して医科、歯科のクライアントを専任で担当している。歯科医院専属部署(歯科プロジェクト)において150件ほどの歯科医院と接触。その後は、医科を含めた医療顧客全般の税務顧問業務を行いながら、クライアント目線に立った財務指導に注力。現在は、多数の実務経験を活かした医科・歯科業界特有の経営課題対応や現場を理解した税務・財務相談を医療機関クライアントに提供している。