平成30年度税制改正大綱より(個人所得課税編)

2018年1月15日

平成29年12月14日に「平成30年度税制改正大綱」が自由民主党・公明党より公表されました。
「生産性革命」・「人づくり革命」・「一億総活躍社会」をキーワードとして、安倍内閣が最重要課題として取り組んできた「デフレ脱却と経済再生」の歩みをより確かなものとすることを目的とし、その目的の達成のために、個人所得課税・資産課税・法人課税を中心として、税制面における様々な見直しがなされています。
ここでは、その中の「個人所得課税」に係る主要な見直しに関する説明をさせて頂きます。
「個人所得課税」に係る見直しは、多様な働き方を踏まえた「働き方改革」を後押しする観点から、従前より検討を行ってきた見直しの方向性を基に、実施されています。
平成30年度税制改正においては、(1)給与所得控除・公的年金等控除・基礎控除の見直し、(2)青色申告特別控除の見直しという2点が、「個人所得課税」に係る主要な見直しとして挙げられるかと思われます。その内容は、下記の通りとなります。

1 給与所得控除の見直し

給与所得控除額を一律10万円引き下げる。
給与所得控除の上限額が適用される給与等の収入金額を850万円超(改正前は1,000万円 超)とし、上限額を195万円(改正前は220万円)に引き下げる。
但し、その年分の給与等の収入金額が850万円超の居住者で、本人が特別障害者に該当するもの、23歳未満の扶養親族を有するもの、特別障害者である同一生計配偶者もしくは扶養親族を有するものに関しては、給与等の収入金額(その給与等の収入金額が1,000万円超の場合には、1,000万円)から850万円を控除した残額の10%を給与所得金額から控除する。

2 公的年金控除の見直し

公的年金等控除額を一律10万円引き下げる。
公的年金等の収入金額が1,000万円を超える場合には、公的年金等控除額の上限額は195万5千円となる。(改正前は上限額なし。)
公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円超2,000万円以下の場合には、公的年金等控除額の上限額は185万5千円、2,000万円超の場合には、同上限額は175万5千円となる。

3 基礎控除額の見直し

基礎控除額を一律10万円引き上げる。
基礎控除額は、合計所得金額が2,400万円超2,450万円以下の場合には32万円、2,450万円超2,500万円以下の場合には16万円、2,500万円超の場合には0円となる。

4 青色申告特別控除額の見直し

青色申告特別控除額を55万円(改正前は65万円)に引き下げる。
但し、(a)その年の事業に係る仕訳庁及び総勘定元帳に関して、電磁的記録の備え付け及び保存を行っていること、(b)その年の確定申告書・貸借対照表及び損益計算書の提出を、その提出期限までに「e-Tax」を使用して行うことのいずれかの要件を満たすものに係る青色申告特別控除額は65万円とする。

上記①から④までの改正は、平成32年分以後の所得税及び平成33年度分の個人住民税から適用することとなります。(尚、当該改正は、平成30年度税制改正大綱に基づいた内容となっていますが、今後の法令通達により内容が変わる可能性がございますので、ご注意下さい。)

税制改正の変更点を十分に踏まえた上で、e-Taxの使用等の適切な対応を、専門家と共に検討していくことをお勧め致します。

佐藤易秀

税理士法人名南経営 会計部 マネージャー

1999年税理士法人名南経営に入社。
税理士として、病院・クリニック・社会福祉法人・公益法人等、幅広い種類の法人・個人の会計・税務顧問業務を中心にクライアントの個別のニーズに柔軟に対応、支援を行っている。上記の税務顧問業務から付随的に発生した多方面にわたる各種コンサルティング業務へも従事している。その他医療機関向けの税制改正のセミナーを多数行っている。