医療ドラマとコンサルタント 2026.2.24

医療ドラマとコンサルタント

執筆しておりますのが2026年2月9日未明、選挙特番も終わり、自民党の地滑り的大勝を報じています。一方、我々医療の業界も診療報酬改定を控えて、個別改定項目が出て、何点つくのだろう、というような時期ですね。 
ですが・・・政局の話や、診療報酬改定の話は他の多くの様々なコンテンツにいったんお任せし、少し違うお話をさせて頂きます。

この1月改変期のテレビドラマでも定番設定の医療モノがあります。職業柄、一応さらっとチェックだけはしてしまいます。本クールでは名門枠フジの月9で橋本環奈さんが元ヤンキーの脳神経外科医を演じる「ヤンドク」が放送されています。脚本は根本ノンジさん。「監察医朝顔」で医療モノを、またNHK朝の連続テレビ小説「おむすび」(橋本環奈さん主演)、や「パリピ孔明」(向井理さん主演)もこの方ですね、キャスティングもなるほどという感じです。

高校中退の元ヤンからの優れた技術を持つ脳神経外科医、岐阜出身でつい岐阜弁で「たわけ!!」と啖呵をきり、さらっと緊急オペをこなしちゃう。ヤンキーからのドクターとか、ま、設定としてはベタだねとか、岐阜弁の設定も橋本環奈さんなら、福岡出身設定でいいのでは? 博多弁でなんしようと? とか言ったほうが合ってそうとか、シロウトがその設定に好き勝手いってるわけですが、モデルにしている実在の先生がいらっしゃった。岐阜大学脳神経外科臨床准教授の榎本由紀子先生。名古屋拠点の当社のこんな近くに本当にドラマのような先生が実在して、脳神経外科領域のフロントランナーとして活躍しておられる。勝手に親近感を感じ、急に肯定的ポジションをとってしまいます。

ヒール役の鷹山勲事務局長(大谷亮平さん・身長182㎝)が副院長と事務次長を従えてさっそうと登場。「なんでも受け入れる最後の砦ではない!事前トリアージを徹底し医療資源を有効活用すべき対象に限る!」と。一方で主人公の田上湖音波先生の人生を変えたお台場湾岸医療センター脳神経外科部長中田啓介先生(向井理さん・身長182㎝)が、無口ながらも飄々と湖音波先生のやんちゃをいさめながら、鷹山事務局長も言いくるめていく。この180㎝超ツインタワーのイケオジがまた結局かっこいいわけで、今後の田上先生の活躍や成長のキーパーソンになっていくのか。どう立ちはだかるのか。何物でもないただのオジさんはこの2人の足の長さに勝手にジェラシーを感じているという構図です。  
橋本環奈さん演じる湖音波先生や、イケオジ2人、はたまた文字数制約で触れきれない他のキャストを含めてどうこう言いたいことは全くないのですが、筆者の仕事上、日々医療従事者の皆さんに対し「入院単価が~」とか「病床稼働率が~」「患者さんのトリアージが~」とか言いながら、指摘をさせて頂いている立場としては、ことごとく悪役側を地で行っているな、と負い目を感じます。
 「ここ病院すよね、成績って、会社じゃないんすから」 湖音波先生の不満顔が、関与先の医療従事者の顔にダブります。

湖音波先生はヤンキーならではのコミュ力で、ポリファーマシーの患者の減薬を(勝手に)したり、リハビリに(リハビリセラピストを超えて)積極的に関与したり、患者の生活・療養環境を考慮して退院を伸ばしたり(転棟・転院などの後方支援機能のイメージかな)など、ある意味、求められている医療行為を実践されています。

そうした良い部分をある一部の特殊な方の異質な行動とするのではなく、多くの普通の方でも組織全体の中で仕組みとしてできないか、ということを我々は考えています。成績=数値化による客観性により1つ1つ湖音波先生がなんとなくやってしまっていることを標準化、一般化でき、結果全体の医療の質の向上につながればいいなと考えています。医療機関、医療従事者の皆さんにはそうした外部の目線を上手く利用してもらえればと思います。

そうして、今後こうしたドラマの中でも好意的に描いてもらえるようになればいいな、と淡い期待を持ちながら、これからも医療従事者とコミュニケーションを図ってまいります。

  • 病院・診療所・介護施設の経営変革をここから

植木隆之

2018年税理士法人名南経営入社。
薬学部を卒業後、製薬会社にて医薬情報担当者、医療系物流企業新規事業責任者、病院事務局を歴任、一貫して医療の最前線でキャリアを形成してきた。その間お付き合い頂いた調剤薬局、開業医、民間病院、地域中核病院から大学病院までの多くの医療従事者と培ってきた現場感覚を大切にしながら、薬剤師、中小企業診断士としての専門性を活かした論理的かつ実践的な提案を心がけている。